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ディティール

スポーツ紙において、絵と見出しと言うのは売り上げに直結する大切な要素である。

大体の新聞取扱店には5種程度のスポーツ新聞が常備されており、おおよそ6〜7割の固定客と3割の浮動客が新聞を買う事になる。浮動客とは贔屓新聞社が無く、その場に応じて欲しい新聞を選択する客質の事。

7割の固定客と言うのは、はっきり言って他の新聞に流れる事が殆ど無い。客はそのスタイルを確立してしまっているが故、変えると言う意識が存在する事すらない。まぁ、これはコンビニのバイトをしていての経験上の意識でしかないのだが。

売り上げとしてある程度採算が見込める固定は兎も角として、その他ユーザーの売り上げを見込む為に必要な事。やっぱりソレは購買意欲を湧かせる見出し、写真に他ならない。
関西地区は特に阪神タイガースの人気が熱狂といえるほど存在し、それが一般的な新聞の売り上げに直結する。チーム大勝時や今年の金本選手の記録達成時の新聞は、放って置いても全紙売り切れるほどだが、大敗を喫した次の日の朝刊の売れ残りに関して言えば目も当てられない状態になっている事が多い。それほど、関西系スポーツ紙に関して阪神に依存しているものなのだ。まぁ、今回は別に阪神に関して語りたいわけではないので閑話休題としよう。


さて、そのスポーツ新聞における「見出しと写真」なのだが、ココ近年自分自身の感性が落ちたのか、それともライターの質が落ちたのか、コレは!と思わせる内容が少なくなった。
阪神ファンというスタンスを取っているわけではない自分にとって、主観が入り混じり過ぎてコラムや総評としてはマイナスではないかと思う文章すら、堂々と一面を飾っているような時もある。もっとも、熱烈なファンほどそういう文章を好むと言う事もあり、それが間違っていると思ってるのは自分ぐらいなもんだろう。



5月28日の日刊スポーツ(神戸版?)最終面
オリックスバッファローズの清原和博選手によるサヨナラ満塁ホームランの記事。
書かれてあった記事以上に印象的な写真。デカデカとガッツポーズを繰り出す清原選手の下には「人がいる。夢がある。」の看板文字が。
こういう写真をこういう場面で使う事に表現者としての『粋』を感じでしまう。長々綴られたどの文章より、この写真のこの一言に、この写真のすべてが集約されてしまっている。物書き泣かせの写真だ。
他紙では写真の位置が異なってこの看板が見えなかったり、同系列の新聞では他地区版ではココに大見出しが打たれてしまい、看板の存在が確認できなかったりする。他社ならともかくとしても、同系であるなら勿体無い事この上ない。

百聞は一見にしかず。優れた写真は文章を凌駕する。
野球の迫力や臨場感、清原選手の力強さにホームランの価値を、たった一枚の大判写真で表現しきってしまった、その日の日刊には敬意を評したいと思う。普段スポーツ紙を買わない自分が、なんの躊躇いも無く130円を差し出すに値すると感じてしまったほどだったから。

惜しむべきは、当日がダービーと言う事で最終面と言う陽の当らない場所にされてしまったことか。うーむ、残念。

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